銀杏の葉

2014年5月12日
守り、守られ生きる日々の中で、
続いていく想いは
生産性のない想いだと分かりはじめている私がいる。
どんな答えも見つからない
肯定するには、大人になりすぎてしまった
悔やむには厚顔で
この痛みは、いつまで続く痛みなのだろう。

この痛みは。
無くならなくていい。
ずっと私のそばにいてほしい。そんな気もする。
けれど、そんな事、誰ひとりのぞんじゃいない。

人生はやり直せると人は言うけど、やり直すなんて、「記憶」がなくならない限りできないんじゃないかと思う。
人に「記憶」がある以上、本当のリセットは不可能なわけで。

久し振りの公園の散歩道。
すっかり葉が落ちてしまった銀杏の木には、また新しい葉が芽吹いて
とてもきれいな緑色。

足元の落ち葉に手を伸ばす。

どうして?風が強かったの?雨にあたってしまったの?
まだ、こんなにきれいな緑色なのに。
もう落ちてしまったの?

ああ、そうだ。何も変わらない。植物のいのちも。人間のいのちも。
そして、私が。
70億分の1であるということも。

なんて、なんて、この世界はちっぽけで、はかなくて、いたましくも、つよく、美しいのだろう。

________________________


いつか、ちいさなお店がほしいと、あなたに話したことがあった。

そしたら、毎日通ってやるとあなたが言った。

そのころ、もう友達に戻っていた私たちだったけど、だけど、チクンとこころが痛んだ。

いっしょには、生きてくれないんだって思った私がいた。

お店に、毎日通われたって、そしたら私は結婚もできないじゃない?
私だって、普通に結婚して、普通にママになりたいんだから。

そう思ったら、最初は「チクン」と小さく痛んだはずのこころに
今度は大きな穴が開いて
あなたの前で、笑えば笑うほど、いっしょにいればいるほど
あなたが遠くなった。

どんどん

どんどん

遠くなった。

________________________

すれ違うことも、運命に過ぎなくて
だから、やっぱり、こうして、あなたを思う夜は
何の生産性もない夜なのだと分かっていても
私は、どこか、どこかに辿り着こうと歩いている。歩き続けている。

________________________

銀杏の葉は、気がつけば、また黄色に染まっているのだろう。
そして、私は、また、自分がひどくちっぽけな存在であることを思い知るんだろう。






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